八戸公園という公園

我が家から車で15分、八戸公園という総合公園があります。

公園内には遊園地、植物園、多目的広場、バーベキュー場など多様なエリアがあり、市民それぞれの目的に対応しようとしている公園です。
市のホームページでは、昭和56年(1981年)に着手としてあります。
そして公園として充実するように、日々整備がされています。
ですから、完成というのがなくて、必要なら新たな施設も作られるというスタンスだと思います。

所有は八戸市ですが、指定管理者として地元の民間企業が運営しています。

観覧車の脇をサイクルモノレールが通る

広い敷地にさまざまなエリアがある

遊園地エリアは、市民には「こどもの国」という名称で知れ渡っております。
僕も、子供たちが小さい頃は何度となく連れてきたものです。
ジェットコースターやミニ電車やバッテリーカーなどに乗り、多目的広場では軽い運動をさせ、木陰の芝生でお弁当を食べて帰る、という時間を過ごしました。

動物好きな子供は、隣接する動物ゾーンでサル山を見たり、ポニー乗馬を楽しんだりできます。

緑化植物園ゾーンでは「植物公園」という一面もあります。
八戸公園ができたあたりは、「こどもの国」ではなく、「植物公園」で名が通っておりました。
特にローズガーデンといって、バラに特化したエリアがあり、時期になると賑わいます。
また、緑化に関しての相談に乗ってくれたり、花木の販売をする事もあるようです。

春はサクラの杜ゾーンで桜がとても見事で、花見が楽しめます。

小高い山にできた公園だから、元から生えていたものなのか、新たに植えたものなのか判りませんが、公園内の遊歩道の脇には様々な樹木が茂っており、そして様々な花木が栽培されております。
それらの樹木や花木の名前が判るように、小さなプレートもかけてあります。

プラタナス


多目的広場では、こども達がサーカーボールを追いかけたりキャッチボールやバドミントンをしたりして汗だくになります。

今日は誰もいない

僕が児童だった頃 

市のHPの一つの「氷都 八戸物語」によると、始めは昭和33年(1957年)、地元の民間企業が「児童遊園地」という名称で同市長根地区に開園したらしいです。
その後、八戸市に運営が移り、昭和41年(1966年)「八戸市児童遊園地」として改めて開園されました。

昭和35年生まれの僕は、かすかに記憶にあるのですが、「八戸タワー」というランドマーク的な塔があって、その麓に様々な遊具がありました。
今でこそ、当時の写真を見ると大したことのない遊具ですが、それまで遊園地で遊んだことがなかったので、電気で稼働する機械に身を任せる恐怖があって、楽しくもあり怖くもあり、子供心に結構ハードなアトラクションでした。

「八戸市児童遊園地」は昭和60年(1985年)まで長根地区で営業され、その後、遊具を一新し現在の「八戸公園」内に移転され、「こどもの国遊園地エリア」になりました。

遊園地のシンボル観覧車 

アトラクションは、ミニ電車、ゴーカート、バッテリーカー、メリーゴーランド、ミニジェットコースター、ミニウォーターライド、自力で漕いで空中を移動するサイクルモノレール、回転ブランコ、パイロット気分のエアファイターなど。

お子様向けで、写真映えします。
本物のSLも展示されています。

迫力ありますが腐食も進んできています

5月のこどもの日には、公園までの道路に車が並びます。
少し遅く家を出ると駐車場に入れない事も。

今や青森県内で唯一の遊園地だとの話もあります。

ーーー余談ですが、「八戸タワー」は昭和33年に竣工され、避雷針を含めた全高は約70m。
上部と下部に展望所を設けており、下部展望所にはレストランも併設されていました。
昭和43年(1968年)の十勝沖地震で上方が倒壊し、しばらくはその部分を切り離して営業していましたが、昭和51年(1976年)に撤去されました。ーーー

行き届いた手入れに感動

森林公園のような佇まい 右側に少し見えているのはバーベキュー場

植物ゾーンをゆっくり散歩していると、なんともなく心が穏やかになっていくことに気がつきます。
そして色々な植物に目が向いています。
日頃、そんなに樹木や花木に興味を持っているわけではないのに。

池は濁っているように見えますが、実際は底が見えるほど澄んでいます
もちろん垣根の中にも入れます
色々な種類の花が咲く花壇もあちこちにあります
噴水のエリア 真夏なら噴水が上がっております

日本風や洋風の庭園、噴水、様々な花が咲く花壇を見ながら歩いていると、いつの間にか苔の庭園になっていたり、かと思えば、ちょっとした高原の並木道を歩いているような雰囲気になったり。

不思議と飽きないですね。

そんな年齢になったということかも知れません。

旧豪邸の庭を移設したそうです
園内の遊歩道の途中、まるで山中みたいです。 芝生だからシートを敷いてお弁当とか。
苔むす庭園 盆栽好きにはたまらないのでは

そして、園内には所々にベンチがあり、疲れたら一休みできる箇所がいくつもあります。
また、樹木が多いのでその分木陰も多く、のんびりと芝生の上に座りながらでも、園内の景観を楽しむことができます。
お年寄りがゆっくり散歩するにはとても良いエリアです。
いや若者でも。

これだけの庭園を管理することは大変なご苦労があると思います。
花木の剪定や落ち葉拾い、雑草の処理だけでも大変です。
作業衣の方が、目立たないように所々で作業しています。
ゴミ一つ落ちていないです。
(我が家の、小狭い庭の手入れでも大変なのに)

季節に応じた園内の見せ方にも、きっと工夫をしていることでしょう。

縄文の里

八戸市の是川(これかわ)地区には縄文時代晩期の遺跡があります。
是川遺跡」です。
国指定の史跡で、出土品は国の指定重要文化財です。
出土品は、「八戸市埋蔵文化財センター 是川縄文館」に展示保管されております。
国宝の「合掌土偶」などが有名です。

令和3年(2021年)、「北海道・北東北の縄文遺跡群」として、17の遺跡群と共に世界文化遺産に登録されました。


縄文の里八戸をPRする目的で、八戸公園内に「縄文親子像」があります。

結構巨大です

そして親子像に隣接して、「縄文鍋」が設置してあります。

煙突下の黒い丸い部分が鍋のようです 直径3m 深さ0.8m 重さ3.6tあるそうです

この鍋を使って「縄文なべまつり」が行われます。
八戸市の郷土料理「せんべい汁」を作って提供されます。

2022年は、限定2500食、一杯100円です。
ステージイベントも行われます。

コロナ過で中止していましたが、今年は2年ぶりに10月9日(日)に開催です。
僕はこれまで行ったことはないのですが、過去のネット記事をみると結構な賑わいです。

縄文なべまつり画像 他県の鍋まつりの画像も)
せんべい汁研究所 B-1グランプリの始まり

「八戸公園」は、市が所有し、民間企業が運営しています。
完全民営だと、これだけの広さの土地を抱えるだけでも固定資産税が大変です。
また、利益を出すためには集客しなければなりません。

思うに園の規模を考えると、管理費に比べ収入はおそらく微々たるものでしょう。
市の所有で、ありがたいと思います。
そして、指定管理者として運営している地元民間企業様には、その仕事ぶりに頭が下がります。
どうか手を引かないようにお願いしたいところです。

公園の王道だと思う

「八戸公園」は、都会に住む人から見たら、遊園地エリアも動物エリアも小規模で、ただの自然公園だと感じるかも知れません。
自然公園の中に、子供用の遊具があるという感じで。
ただ、一回りすると、公園として『頑張ってやっているなぁ』と、絶対思うはずです。

こどもからお年寄りまで、ゆったりのんびり、心穏やかに過ごせる場所がここにはあります。
集客のためのスリリングなアトラクションなどはありませんが、一日安心して過ごせる場所です。
そういう場所であることが継続するように、日々頑張っている人たちがいます。

公園というのは、多くの人が楽しむところです。
そういった意味で八戸公園は公園の王道です。


好天気の9月29日(木)。
日頃、我が家近くの運動公園でウォーキングしている家内が、僕の運動不足腹を懸念して「八戸公園」を散歩しようと言った。
子供達と来て以来、およそ20数年ぶりに訪れた公園は、実に誇るべき公園であったのだと認識したのでした。