『A-Tube』で発信!

青森県知事が YouTube! 発信

青森県では今年6月、任期満了に伴う知事選挙で自民党系の宮下宗一郎(44)さんが当選しました。
僕も投票した一人なので大いに期待しております。
10月現在、まだ知事として実績はないのですが、次の知事選でも投票しようと思っているくらい期待しているのです!

その宮下知事が今月、YouTubeチャンネルを開設しました。
その名も『青森県知事の新時代チャンネル A-Tube』。

新知事は選挙運動中から公約の一つに、県民とのコミュニケーション重視を掲げており、実際に市町村各地で県民との対話集会を開催しています。
いわゆる政局説明会のような形ではなく、10人前後の車座の座談会で、参加者は自由に発言したり参加者同士で意見を交わしたりし、知事が答えたりメモしたりしています。
知事を交えた井戸端会議です。

「A-Tube」ではその模様も発信するそうですが、大事な県政の方向性や県民の声を、マスコミ向けとは違う分かりやすい言葉で発信していくようです。

宮下宗一郎さんという人

宮下新知事は、これまで青森県むつ市の市長を3期務めてきました。
彼の父もむつ市長でありましたが任期途中で病に倒れ、当時、国土交通省から外務省に出向中でニューヨークの日本国総領事館勤務であった長男の宗一郎さんが市長選挙に立候補し当選しました。

地元の新聞やローカルニュース等から抱いていた印象は、むつ市長当時の宮下さんは、何が市や市民にとって最善で、それを成し遂げるためにはどんな行動が必要かを決めて実行する、というものでした。
そのため、政策によっては県と政策論争のようなこともあり、同じ自民党系である当時の知事が苛立つ様子がみられました。

自分や自分の会社の社会的な地位や身分をあげるために政治家になったような一部の市町村長や県会議員には、宮下さんの行動は理解しがたい、目立ちたいためのパフォーマンスとして映ったようでした。
苦笑を交えながら、県の発展のためには知事の意向に従うべき、などどしたり顔でマスコミの取材を受ける自民党系のベテラン議員もおりましたが、TVのローカルニュースで見る限り、その問題に対して真剣だったのは当時の知事と宮下さんだけだったと僕は思います。
是非は別として、地元民の代表としての懸命さに僕は魅力を感じ、他市の市長でありましたが僕は応援しておりました。

そんな宮下さんが任期満了に伴う県知事選に立候補すると知り、それは彼にとって必然の行動のように思ったものです。 
当時の知事はその時点で立候補するかどうか表明していませんでしたが、たとえまた立候補しても、別な人が立候補しても、僕は宮下さん一択でした。

知事選の不可思議

対立する有力な候補者は、同じ自民党系で県庁所在地の青森市長でした。
政策を着実に遂行する若い実力者で、当時の知事を政治の師匠と仰ぎ、これまでの県政を継承すると公言していました。

両候補者は自民党県連に公認推薦を申請しましたが、申請条件の中に「誓約書」というものがあり、署名を求められます。
その「誓約書」は、自民党本部及び県連の推薦に選ばれなかった自民党立候補者は、推薦された候補者を全面的に応援しなければならない、というものでした。

「誓約書」は今回の知事選だけのものか、これまでも踏襲されてきたものかは分かりませんが、僕は奇妙なものだと思いました。
政策が違うから別々に立候補したのであって、推薦に漏れたからと言って立候補を取り止めて対抗者を応援できるものだろうか。
その応援の言葉は、嘘、であり、単に、自民党系の立候補者を当選させるためだけの方便であり、有権者を愚弄しています。

一体誰がこんな稚戯みたいな方便を考えたのだろう、これに対して県連内の誰も意義を唱えなかったのだろうか。
実際にはやめるよう要請した議員もいたし、県連会長もその議員に同意しつつマニュアルを優先したのか、署名を求めたそうです。

宮下さんは署名しない、青森市長の方は署名する、と分かれました。
そして宮下さんは公認推薦から漏れ、青森市長は満場一致で推薦候補になりました。

その後、同じ自民党系の県会議員の中から公然と宮下さん支持を掲げる人たちが現れ、一部の市町村長や市町村議員も宮下支持の声をあげ始めます。
無論、青森市長を支持すると公言する実力者たちも、それぞれのグループを引き連れて現れます。
県連の自民党議員は分裂しました。

ここに至り、県連は「誓約書」の白紙撤回を表明し、公認推薦も白紙に戻し、党員は自主投票になりました。
自民党県連は、新しい知事としての推薦候補を出せなかったのです。

おそらくこれらの出来事は、宮下さんだから起こった事象でしょう。

宮下さんの選挙活動は、その思いは分かりませんが、県を発展させたい!県のリーダーとして仕事をさせて欲しい! その気持ちが伝わる活動でした。
党籍は重要ではなかったのでしょう。
ほとんど全員が自民党系の、各市町村長や市町村議会議員の中にも、これまでの県政を変えて欲しいと考える人たちがいて、宮下さんへの支持を公言したのだと思います。

結果は、同じ気持ちの有権者は大勢いたらしく、有力と思われていた対立候補を意外な大差で破り当選しました。

自民党県連は、申請条件の改訂を検討するというコメントを出しました。
”公認推薦されなかった候補は、同じ党籍の候補を全面的に応援する”
他の自民党の都道府県連にもこんな「誓約書」はあるのでしょうか。

そんな変な「誓約書」があったなんて、今回の宮下さんの立候補で初めて知った次第です。

青森県の伸び悩みの一因 人口の減少

さて、では県政を変えるとは何でしょう。

県の人口は右肩下がりの傾向です。
今後、県の発展を期待する上で最も大きな障害の一つにあげられるのではないでしょうか。
自然減と県外移住者の増加と出生率の低下の問題です。

自然減に対しては、悪名高い「短命県」の返上を図るべく医療の充実、定期健康診断の更なる啓蒙(義務にしても良い)と食育の広報の積極的な推進を考えます。

県外移住者に対しては、就職の受け皿となる企業の誘致や、家族を形成しても生活していける賃金水準の上昇、地元で起業する人に対する補助の拡充等必要です。

出生率低下は、やはり生活設計をする上で躊躇するのは、賃金収入の不足と、そもそもの就職環境の貧弱も大いに起因していると思います。
出生率は将来の人口に100%影響します。

従って新知事は、出生率低下にともなう少子化問題を大きく取り上げました。

青森県に今後の伸びしろはあるか

少子化問題に対し新知事は、選挙運動中から警鐘を鳴らし、政策を立ててそれを「青森モデル」とするとまで言い切りました。

県民との対話集会は、10代や20代の学生や労働者からの意見を良く聴いて欲しいと思います。
青森モデル」は何も法律のように確立して発表しなくても良いと思います。
進化するのであれば、毎年訂正したり追記したりして、その後の青森県にピントが合うようになれば良いと思います。
年配者と違い、若者の考えや行動は常に前向きだし、まず必ず変化します。
「青森モデル」も変わり続ける必要が出てくるでしょう。

国や世界も変わるかも知れないし。

青森県はこれまでのところ、お祭り観光農水産業でなんとか成り立ってきました。
その中でも、第一次産業に偏っておりました。
しかし、人口の減少はそれらに対して今後の衰退を予感させられます。
まして、世界的な自然環境の変化で、これまで通りの第一次産業の継続は難しい状況だと思います。

それでも奮闘努力したり環境の変化に合わせて、少しずつブランド化が出来上がりつつあるものもあります。
青森県産葡萄でできたワイン、青森県産のとらふぐ、高級珍味フジツボやマツカワと呼ばれるカレイの養殖など。
料理人からの評価は高いらしいです。

県は、海水での養殖産業や県独自の農産物の開発を検討しておりますが、同時に第三次産業の推進も欠かせませんし、県も民間も学会も協力しあいながら研究模索しています。

そんな状況で私たちができること

新しい知事が若いのは幸いです。
臨機応変な早い対応と、新しい政策の継続が期待されるからです。

人口減少は地方ではどこにでもある問題です。
しかし、衣・食・住の魅力がある町から離れる人はおりません。

「魅力のある町つくり」は、何も上からの指示でできるものではなく、その町に住んでいる自分たちが、その町の環境を考えて動かなければならないと思います。

県が潤ったとしても各市町村が速効潤うわけではありません。
しかし、市町村が潤わなければ県は潤わないと思うのです。

補助ばかり求めていても変わりません。
これから我々は、何を求めてどう動くかが大事で、県の問題は我々自身の問題なのです。

微々微々微々微々たる動きでも、何かを始めると何かは変わる。
宮下新知事はそれを知らしめるために対話集会を始めて、A-Tubeも始めたに違いないと思っています。

県民は、新知事及び県から発信される情報を正しく理解し、それぞれが合った方法で実行していく事が大事でしょう。
県民自ら考え、少しでも常に動き続ける活性力が、少しでも何かが変わり続ける原動力になっていくと思うのです。